後追い記事でも「独自」? ワセクロが朝日新聞にクレジット明記を申し入れ

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忖度なしで真実を掘り起こす、それがワセクロです。広告料・講読料に頼らず、独立・非営利な組織であることを貫きます。一方で、探査報道には緻密な取材と運営にかかる資金が欠かせません。皆さまのご協力をよろしくお願いします。ご寄付はこちらから。
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警察による「被疑者」DNAの採取とデータベースへの登録が増え続けていることについて、朝日新聞が2020年8月23日、朝刊の1面トップで「警察のDNA型登録 拡大」「130万件 容疑者から採取」「対象 重要犯罪に限らず」の見出しで記事を掲載しました。朝日新聞デジタルでは同日午前5時に「独自」記事として、配信しました。

しかし、警察庁への情報公開請求などを駆使した同趣旨の記事は、ワセダクロニクルが2019年9月5日から始めたシリーズ「狙われるDNA 監視社会ニッポン」の中ですでに報じています。

朝日新聞の記事は、ワセクロの記事を参考にした「後追い記事」です。そのことは今回の朝日新聞の取材メンバーが、朝日の記事が掲載された後に、編集長の私あてに連絡してきています。

社会を改善するため、メディアが力を合わせて報道することは重要であり、朝日新聞が警察によるDNA採取の問題を取り上げたこと自体は意義のあることです。

しかし同時に、ジャーナリストとして互いの仕事に敬意を抱くことが重要だと考えます。大手メディアが、小さなメディアの仕事をかき消すようなことが横行すれば、ジャーナリズムは活性化しません。

海外メディアでは、自社の報道に先行するスクープには敬意を表し、スクープしたメディアのクレジットを入れています。

ワシントン・ポスト紙は記事クレジットのポリシーで、「原則として、ワシントン・ポストが記事を掲載するにあたって、他のメディアが同レベルのスクープをすでに報道していたら、その報道のクレジットを入れる」と定めています。ロイター通信のポリシーでも「競争者がロイターの読者にとって価値のあるスクープを報道している場合は、ロイターの報道にクレジットを明確に入れる。競争者にも同じような行動を期待している」と明記しています。オンライン記事でも、海外では先行する記事のクレジットやリンクを入れるのが常識です。

以上の理由から、ワセクロは2020年8月27日、朝日新聞ゼネラルエディターの坂尻信義さんと、当該記事が載った日の当番編集長である岡本峰子さんに、朝日新聞の報道前にワセクロが記事を報じていたことを読者に知らせる記述を、2020年9月23日までに朝日新聞の朝刊と朝日新聞デジタルで掲載するよう文書で求めました。

日本のメディアでも良き慣行が定着するよう、ワセクロは粘り強く活動していきます。

                                                       2020年8月27日 ワセダクロニクル編集長 渡辺周

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